第13話 タイヤの寿命が延びる秘訣は? の巻
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新入社員くん
おはようございます!・・・あれ?
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黒ホッピー課長
おはよう(威圧感)
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新入社員くん
なんか妙な威圧感があるんですが、気のせいかな。
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黒ホッピー課長
そうかな?我はいつも通りのホッピーだが。
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新入社員くん
・・・すごく違和感がありますが、まぁいいです。
先日課長から頂いた宿題を持ってきましたが目を通していただけますか? -
黒ホッピー課長
うむ。タイヤ販促の課題か。どれどれ、『タイヤ縛り油地獄』・・・。
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新入社員くん
あっ、すみません、こちらでした。
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黒ホッピー課長
お前、変な性癖もってるな。まぁ、いい。
どれ、『空飛ぶタイ〇』・・・おまえ!これ絶対ダメなやつだろう! -
新入社員くん
すみません!こちらでした。
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黒ホッピー課長
すごい心臓ドキドキしたぞ。この業界でそんな冗談はやめろ。
ふむ、本題はこれだな、『タイヤを長く使うコツ』。 -
新入社員くん
どうです?お客様目線で考えてみました!
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黒ホッピー課長
・・・実にいい内容だが・・・。
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新入社員くん
だが?
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黒ホッピー課長
タイヤ屋さんとしてはすぐにでもタイヤをすり減らしてほしいのが本・・・。
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新入社員くん
やめましょう。そういう経営本位的な考えは。
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黒ホッピー課長
そうだな。まぁ、せっかくお前が考えてきたんだ。聞くだけ聞いてやろう。
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新入社員くん
まず、一般的にタイヤの寿命は3年から5年、走行距離は3万キロと言われてます。
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黒ホッピー課長
まぁ、そうだな。だがそれは目安であって使い方次第で短くなったり長くなったりするな。
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新入社員くん
そうです。車の乗り方によってタイヤの寿命は左右されます。
よく言われるのは急加速ばかりするとタイヤの摩耗は早くなります。 -
黒ホッピー課長
そりゃタイヤはゴムだからな。消しゴムと同じで強くごしごしすると削れがひどくなるのと一緒か。
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新入社員くん
また、空気圧が低いとタイヤがたわんで道路との接地面積が増え、荷重もかかりその分タイヤが減りやすくなります。
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黒ホッピー課長
燃費も悪くなるから空気圧は常に気を付けないとな。
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新入社員くん
それとこれが一番重要なんですが、ローテーションをしましょう!
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黒ホッピー課長
ローテーション!野球か!俺は好きだぞ!
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新入社員くん
ローテーションとはスポーツでもよく聞く用語ですが、タイヤでも同じようなことが可能です。
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黒ホッピー課長
ローテーションも好きだが、我はフォーメーションが好きだ。合体なんかしたらそれこそ最高だな!
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新入社員くん
車は前輪、後輪にタイヤがついてますが、後輪はまっすぐに回るのに対して前輪は方向舵の役目を果たすため左右に動きます。
そうすると後輪と違い平面(トレッド)に均一的にタイヤは摩耗するだけでなく、左右の側面が削れて行きます。俗にいう、肩減りというやつです。
「第2話 ローテーションって何?」参照 -
黒ホッピー課長
・・・。
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新入社員くん
タイヤの側面は平面(トレッド)と違い、薄く中身が出やすいので下手をするとタイヤバーストの可能性も増えてしまいます。
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黒ホッピー課長
・・・。
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新入社員くん
なので、前輪の肩減りが出始めたら後輪と前後交換、いわゆるローテーションをすると前輪後輪のタイヤの寿命がともに延びるのです。
これぞタイヤ最大の寿命を延ばすコツです。タイヤ1本の寿命を見るのではなく4本、全部のタイヤの寿命を見るのが一番いい方法なのです。
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黒ホッピー課長
結論を言うと、タイヤの寿命を延ばすにはタイヤ1本そのものを見るのではなく、タイヤ全体を見てローテーションをすることにより、タイヤ全体の寿命が延びる!とお前は言いたいわけだな。
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新入社員くん
そうです!どうですか、私の提案は?
よければこのまま上層部に持っていきますが。 -
黒ホッピー課長
うむ、却下だ!
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新入社員くん
え?どうしてですか?
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黒ホッピー課長
タイヤ屋さんとしては、お客様にはぜひ車を乗り回してガンガンタイヤを削ってほしいからだ!
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新入社員くん
・・・。
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黒ホッピー課長
というのは冗談だが、君にはお兄さんがいたよね?
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新入社員くん
・・・。
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黒ホッピー課長
ホッピー課長とつるんで、佐倉営業所でわが社からの独立を計画してるという風聞があるのだが、知ってるかね?
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新入社員くん
兄にそんな大それた野望があるとは思えませんが・・・。
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黒ホッピー課長
バカ犬とアホのお兄さんだけならそれは無理だろう、しかし、君は違うよね。
本当の黒幕は君だろう? -
新入社員くん
アッハッハッハ!ご冗談を。
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黒ホッピー課長
そこまで白を切るなら、これを見てもらおうか。
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新入社員くん
こ、これは!
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黒ホッピー課長
次回につづく。